高校時代から歴史が好きだった小山さんは、
日本文化の芽生えの時期ともいえる「東山文化」に特に関心があったそうです。
中でも、茶道の世界からやきものに興味を持つようになりました。
1980年、焼き締めの産地で修業しようとしたところ、
偶然、伊賀の小島憲二氏に出会い、弟子入り。
(伊賀の丸柱(まるばしら)ー昔は琵琶湖の底だったことから、
やきもの向きの粘土層の土、特に耐火度の高い木節(きぶし)粘土が採れ、土鍋の産地)
師匠は、当時、伊賀最大の窯元長谷(ながたに)製陶の商品開発を手掛けていました。(「かまどさん」で知られる炊飯土鍋の窯元)
師匠がデザインした商品を試作したり、薪窯での個人作家活動の手伝いもしました。
自分にも人にも厳しい師匠に、褒められたことはありませんでしたが、
その作品に惚れこみ、ただただついていったといいます。
土作り・窯・薪のことなど、やきものに必要なこと・技術的・精神的なこと、ほとんど修業中に学びました。
7年の修業後、笠間で独立。
ひまつり初参加は1992年(第8回)、芸術の村での最後の開催の年。
師匠に紹介された器の店との付き合いも始まり、都内で展示会もするようになりました。
2011年の震災以降は、本当に作りたいものを作りことにしました。
まだまだ作りたいものがあるそうです。
現在は、青瓷釉や灰釉の研究・試作と、原点である伊賀の土での作陶に集中しています。
若い作家の方へ「ある時期は、一つのことに固まらないで、”数を作り倒す”と見えてくるものがある」
好きな言葉「こころ 美しければ」(書家 川又南岳 筆)
来年築釉30年を迎える小山さんの”現在地”作品800点あまり、
ぜひ、じっくりゆっくり味わっていただけると幸いです。
(店内ほとんどが小山さんの作品展示、
最終日11/26までに延長しました)