べべら

陶器の口辺に見られる、素地の欠損やたるみのこと。
ロクロでの成形の際、胎土の可塑性や粘度が不適性な場合に現れ、まれに、
胎土へ混入した石粒や木片が陶人の指先に弾かれ起ることもある。
古来、数寄者はこの現象に侘びの風情を感じ取り、特別なものとして珍重。
李氏朝鮮時代の伊羅保茶碗に多く見受けられ、
わが国では、川喜田半泥子や石黒宗麿・鯉江良二などが作品に取り入れた。
「懐が深いし味もいい、しかもこのべべらが趣あるね。」
「この茶碗、べべら口になってておもしろいな。」
(「でじたる陶器大辞典」)
穂髙隆児  朝鮮唐津小皿

作り手・伝え手・使い手
それぞれの価値観により
「べべら」は「おもしろい」のか「不良品」なのか。
人の個性のように、土の個性もあり
手作りで 世の中にひとつしかないモノ
「べべら」の見方で
やきものの味わい方も違うようです